〜あとがき・2〜

注)こちらのページは2010年に追加したものです。

この作品はずいぶん前に作って、ずいぶん前にHPに掲載したオリジナル作品の1つですが、
2010.5に、思いがけず訪問者さまからコメントをいただいたおかげで、
久しぶりに、作った当時の個人誌(といってもコピー本)を読み返してみました。

この作品が収録されている本より以前に作った本では、
「いつか○○兄弟、絶対書くぞ〜」と即席で書いたイラストの中で叫んでいました。

で、後日この「見果てぬ夜」を収録した本を作って、
(ただし、WEBにUPした際に多少文を修正しましたけど)
で、その時のあとがきには、今じゃすっかり忘れていたことが書いてあったので、
せっかくなのでここに追記しようと思いました。


以下、コピー本より抜粋+
色文字は現在追加した文





さて、三浦氏はずっと描いてみたいと思っていました。
(なんせ、私卒論が三浦氏中心でしたし)
ただ、描き始めれば大変な作業になりそうだとか思って、なかなか着手できませんでした。
あれからX年、全然進歩はしていないのですが、
『Water Puzzle』の曲を聴いてて(BY 結城比呂)

*当時、声優の結城(優希)比呂さんの声にぞっこんだったんです。
「るろうに剣心」のアニメでに登場した敵役で、オリジナルの霊水という怪しげな風水集団水一族の末裔を結城さんが演じてて、なんと最終話の3回ほどしか登場せず、しかも結局あっけなく死んでしまったにもかかわらず、CDシングルを出したキャラの歌なんです。(なんてマイナーな)
「Water Puzzle」の歌詞を書きたいところですが、著作権に触れますのでできませんが、まあ、歴史が動いていくような、時の流れを歌った歌で、結城さんの透き通るような声もあいまって、お気に入りの曲でした。(たぶん現在廃盤ですね)
そんなわけで・・・

なんか再び歴史物がかきたいな〜と思ったのです。
そして、ようやく三浦兄弟が登場しました。長かったなあ・・・
(そのわりには、「描く」じゃなくて「書く」になっちゃって、しかもつたない作品だけど)

んで、この作品はほとんど男ばっかでつまらんですが、
三浦と北条の関係を感じだけでもつかんでいただけたらいいなと思います。

これはいわゆる
プロローグですね。(エッ!!)
(いや、別に大河ドラマを描くつもりはないし、そんなもの描けるわきゃねーのだが)
この
「和田の乱」あるいは「和田合戦」を知っていただかないと前に進めないんですよ。
そういう意味でプロローグ的なものといえます。
つまり、次の作品での三浦氏を語る上で「和田の乱」のエピソードははずせないものだったわけです。(と、思い出しました)

ちなみに三浦の若造どもは、もっとジジイだと思います。
でも、ジジイばかり書きたくないので、若返らせました(笑)

で、和田義盛ですが、三浦兄弟の「いとこ」とも言われていますが、
私は
「叔父」説を取りました。(イメージが和田のジジイだし)

でも、確かに三浦氏って資料が少ないんですよねえ・・・とばかり、
ウソばっか書いちゃいますけどね。・・・つっこまないで下さい(泣)
(といっても、私が調べていたのは史実というよりも、文学の中の三浦氏でしたけどね)

でも、『明月記』(藤原定家の日記)に
「義村と義盛は仲が悪い」って書いてあるぐらいだから、よほど気が合わなかったんですねえ。

それと、『吾妻鏡』(鎌倉時代の歴史書)・・・これははっきりいって北条方から書かれたものですからねえ。
つまり、北条氏にとって都合のいいようにしか書かれていないってことなので。
「和田の乱」についても、
「三浦義村は、
将軍に刃を向けるのは忠義に欠けるから、義盛を裏切った」
(将軍家の権威が大きかった故に、義村は和田よりも将軍側→北条についたという感じ)
とあるんですけども、

私が調べたところによると、
当時の思想としては、(江戸時代のように)忠義を最優先に考えることはまだ確立されていなかったそうです。(「中世成立期の社会と思想」より)

よって、私はこの作品のような
三浦氏を考えてみたんです。
なので、登場人物のセリフの端々から、そーいう雰囲気を感じとってもらえたらなあと密かに思っています。

(実朝公が暗殺された時に、犯人の公暁をそそのかしたのは三浦義村であり、実は北条義時の命を狙っていたのだという説もあるし)

たしか、作家の永井路子さんが一番最初に言ったのだと思いますが。
でも、私の描く三浦氏はまた違うんだな。







・・・とまあ、そんなことが書いてあったのですが、

ちなみに、裏表紙のあとがきには「三浦ブラザーズ」のデフォルメカットが描かれていて
義村には「なんか勝手に美形にしちゃった。楽しみがなきゃ書けないし」
とあり、胤義には「和田のジジイに近いのか熱血漢かもしれない」と添えてありました。

さらに文の中でもしっかり

『三浦兄弟はまた充電したらいずれ書きます!死ぬまでには絶対』

なんて書いてあるのだから・・・笑ってしまいました。
いつまで充電してるんじゃー!!ぐらい、長年すっかり忘れていました。
充電どころか、電池切れてゴミに出されてますよ・・・

おかげさまで、思い出しましたけどね。
あの頃はいろいろ悩みもあったけど、楽しかったなあ・・・(遠い目)
私の一番充実した時間でした。

当時は今のようにPCも普及していなかったので、すべて自分の手で資料を捜索していました。
(大学の図書館の書庫にこもったり、国立国会図書館から有料でまるまる本1冊分コピーを依頼したり、古書店や本屋さんを歩きまわったり)
あれから時代は流れ、おそらく当時よりも書物も資料も増えて、もしかしたら新しい学説も出ているのかもしれませんが、私の中では当時のまま止まっていますのでご了承下さいませ。
もし今後書くようなことがあっても、おそらく当時の資料どまりではないかと思います。
それに自分の中にイメージがあると、他に影響されたくないですしね。
(二次小説でも自分が影響されるとイヤなので、まったくキャラのとらえ方が違う作品ならいいのですが、似たような雰囲気の話はあえて読まない気がします)

またボチボチ書けたらよいですね。(「陽だまりの中で」も放置状態ですが)
いつ死ぬかわかんないし、いろいろ目移りしてしまうし、やることあるし、体調のこともあるし、正直ほんとに書けるかわからないけども。

とにかくそんな気持ちにさせて下さった方に感謝です。
つたない作品にもかかわらず、ここまで読んで下さってありがとうございました。

それではまたいつか。

追記:「陽だまりの中で」はなんとか完結までUPしました。


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